火山情報

2023年07月21日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月17日から21日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、17日12時台の噴火中に爆発が2回発生しました。その後、同日20時台に噴火が1回発生しました。噴煙は最高で火口縁上2500mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(昭和火口より約600m)まで達しました。また、同火口では火映は観測されていません。
 
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。また、同火口では夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。17日に噴火に伴う火山性微動が発生しました。

 昨日(20日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり3200トン(前回7月10日、1800トン)と非常に多い状態でした。
 
 GNSS連続観測では、桜島島内の一部の基線で2023年1月頃から山体膨張に伴うとみられるわずかな伸びが認められていましたが、4月頃から停滞しています。また、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態であることから、今後南岳山頂火口や昭和火口において噴火活動が再び活発化する可能性があると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  7月17日        4回  2回
    18日        2回  0回
    19日        4回  0回
    20日        3回  0回
    21日15時まで   0回  0回

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

詳細な情報は次をご覧下さい。
miyazaki-pref.site.ktaiwork.jp/


【宮崎県危機管理課】